ボルネオレポート

射殺されたオランウータンが発見されました

*画像と本文は関係ありません

2018年9月13日、サバ野生生物局(SWD)が何者かによって射殺されたオランウータンを発見、回収したというニュースがmalayamailに掲載されていました。

SWDのSiti Nur’ain Ampuan Acheh氏によると、9月12日(火)の朝、オランウータンの死骸がコタキナバルの川に浮いているのが報告されたとのこと。

報告を受け、SWDのチームとNGO団体HUTANの名誉顧問がすぐさま派遣されました。調査チームは同日、当初発見された場所より500メートル離れた地点でオランウータンを発見しました。

SWD職員Siti Nur’ain Ampuan Acheh氏のコメントです。「検死結果によると、亡くなったオランウータンは30歳くらいの雌で、腹部・肩・足の計3か所に怪我をしていました。体内から3発の銃弾が見つかっています。」公式見解では、銃弾による大量出血が死亡原因とされていますが、なぜ、誰がオランウータンを射殺したのかに関しては、SWDは特定できていません。

既に警察への届け出がなされ、調査が行われています。SWDは情報提供を募っている状況です。

今回の事件以前にオランウータンの死亡が確認されたのは、今年の7月です。サンダカンの果樹園で青年期の雄の亡骸が見つかりましたが、その際は目立った外傷は発見されませんでした。

オランウータンの住処である熱帯雨林は、どんどん失われています。人間が熱帯雨林を伐採しアブラヤシのプランテーションに変えてしまっているのが原因の1つです。WWFのレポートでは、この状況が続けば、さらに600万ヘクタール(四国3つ分に相当)の熱帯雨林が失われるとのこと。オランウータンは居場所を失う危機にさらされています。

オランウータンの住処は、どんどん失われています。人間が熱帯雨林を伐採しアブラヤシのプランテーションに変えてしまっているのが主な原因のひとつです。

伐採は今も続いており、この状況が続けばオランウータンの居場所はさらに失われ、人間の生活圏に出てきたオランウータンが害獣と判断されて撃たれてしまう事件がまた起こることは容易に想像できます。

今回のような事件が繰り返されないことを祈っています。

これ以上、オランウータンの命が人間の都合で失われてはなりません。そのために私たちはなにができるのか、改めて考えさせられるニュースでした。

近藤巧 (インターン)

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