いのちのゆりかごが地球から姿を消していく。

消えゆく熱帯雨林


世界の陸地のわずか6%ほどを占めるに過ぎず、でも生物の半数以上が生息している場所。それが熱帯雨林です。熱帯雨林はいのちが生まれ、育まれ、つながる場所。微生物、昆虫、小さな草木から大型哺乳類にいたるまで数え切れない種類の生物が熱帯雨林を頼って生きています。

ボルネオにも、世界有数の豊かな熱帯雨林が広がっています。高さ80mにも成長するフタバガキ科の樹木を象徴に、15,000種の植物が生い茂り世界でも稀な豊かさを誇るボルネオの熱帯雨林はかけがえのない存在です。

そのボルネオの熱帯雨林が、破壊的な開発が進んだことで急速に減少しています。

キナバタンガン川流域に広がるアブラヤシプランテーション

1500万年前から存在していたといわれる美しい熱帯雨林は、ほんの数10年間で大きく姿を変えてしまいました。

国際農業研究協議グループによるとボルネオでは1973年から2015年の40年足らずで、168,500 km2もの熱帯雨林が地球から失われています。

熱帯雨林が姿を消すということは、そこに存在したいのちも消えるということ。動物も、昆虫も、植物も、微生物も、その地で生態系を維持してきたいのちがかき消されてしまいました。

ボルネオ保全トラスト・ジャパンが活動するボルネオ島北東部のキナバタンガン川流域は1980年代から、大規模なアブラヤシプランテーションの開発のため開発が続きました。

キナバタンガン川流域に広がるプランテーション

ボルネオにしか住んでいないボルネオオランウータン、ボルネオゾウ、テングザルやその他たくさんの動物たちは、広い森での穏やかな生活を奪われ、残された小さなすみかで窮屈な生活を強いられています。

美しく、生命のみなぎる熱帯雨林が地平線の彼方まで広がっていたボルネオの姿はもうありません。未来につながるいのちが急速に途絶えているのが、今のボルネオの姿なのです。

  次のページ『すみかをうばわれる動物たち』を読む