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奈良県立国際高等学校のオンライン授業に参加

Zoomを使ったオンライン会議がすっかりあたりまえ、の社会になりBCTJでもイベントや会議はオンラインでの開催が通常になっています。そんななかで今回、奈良県立国際高等学校からお声がけいただき、旭山動物園園長でBCTJ理事の坂東理事、職員の佐賀真一さん、ボルネオ島・コタキナバル在住のスタッフ岸優子さんがオンライン授業に講師として招かれ、授業を行いました。授業を行なった奈良県立国際高等学校教諭の松本真紀さんから当日の様子を寄稿いただきました。

奈良県立国際高等学校は4月に開校した新しい学校です。学校設定科目に「グローバル探究」があります。入学早々、在宅学習を余儀なくされた1年生ですが、在宅学習中はホセ・ムヒカ氏のリオ+20でのスピーチを聞き、「グローバル」や「しあわせ」について考えました。そして、探究の最初のテーマとして、「パーム油」を取り上げました。

植物油脂製品のパッケージを集めたり、パーム油白書を用いて、データからパーム油の現状を学んだりしました。ボルネオ島の森の分断や生物多様性の消失が、私たちのくらしと密接につながっていることを知りました。

パーム油を使わないようにしたらいい、作らないようにしたらいい、別の油にしたらいい、そんな意見も出る中、ロールプレイでさまざまなステークホルダーや動物の立場になって物事を見つめる授業も行い、なくせばいい、というような簡単な方法で解決できるほど簡単ではない、ということにも気づきました。だからといって何もしないわけにもいかないけれど、いったいどうすれば・・・。

ファミリー(グループ)で解決方法を探るにあたり、7月3日、実際に課題と向き合い、解決に向け尽力される人生の先輩にお話を伺うという、Zoom会議システムを利用した90分の授業が実現しました。

旭川市旭山動物園からは坂東園長と職員の佐賀さんがオランウータン舎からの中継で、ジャック・森人(モリト)・森花(モカ)親子の紹介、動物園として、「いのちを預かる責任の果たし方」を形に表した「ボルネオへの恩返しプロジェクト」のお話をしてくださいました。

また、ボルネオ島ロッカウィ・ワイルドライフ・パークから、BCTJ現地スタッフの岸さんに、授業で何度も写真で見ていた仔ゾウのジョーや他の保護されたボルネオゾウたちの紹介と、ボルネオの生物多様性の現状やBCTJの活動についての説明をしていただきました。

その後、保全活動についてどう考えるか、という問いに対し、高校生たちはファミリーで議論し、それぞれの意見をGoogle formで送信。その中から「保全活動に対して高校生にできることは少ないと思う」という意見に対し、坂東園長からは「今、皆は進路や生きる道がだんだん見えてくる大切な時間、焦ることはないが、知ることが大切」、岸さんには「できることは大きいことではないかもしれないが、168人の仲間とともにできることはある」という心強い言葉をいただきました。

他にも、「すべての動物を絶滅する前に救うのは時間的にも難しいのではないか」という高校生の意見には「30年で悪い方向に行ったのなら、これから30年でいい方向に行くことだってあり得る」「諦めてしまったら何も変わらない」「人は、大切だと思ったら守り抜こうとする、ゾウやオランウータンはそう思っていないからじゃないかな」「未来は必ず変えられる」と、画面を通してお話しいただきました。

また、今まで日本がボルネオから受けてきた木材やパーム油のような恩恵に対して、世界から見ても日本の保全に対する意識が低いことや、支援をしていないという現状も聞き、高校生たちは授業で初めてパーム油を知った自分たちと重ね合わせました。


坂東園長から「森花の目を見て飼育ができなくなるような恥ずかしい飼育だけはしたくはない、恩返しプロジェクトも多くの人が協力して今を動かしている。心がないと持続できない。」。佐賀さんからは「現状を見たとき、どうにかしないといけないと思った。何かしなくてはと思い、地域の小学生に授業をしている。地道に20年、30年先を見据えて、結果がどうであれ、やるしかない。」。そして岸さんからは「熱帯雨林の伐採も、生物多様性の消失も、あきらめてなるものか。日本人としてこのまま終わってはいけない。やるしかない。」と、みなさんから熱のこもった、力強い言葉をいただきました。

また、「知る機会を増やす」「自分が自信を持つ」「自分事として考えられるようになる」というアドバイスもいただきました。

中継では映像が乱れたり聞こえづらかったりするときもありましたが、高校生たちは始終、前のめりになって聞こうとし、講師のみなさんから背中を押していただいたような、そんな時間になりました。

夏休みに向け、パーム油を使い続ける責任をどう果たすか、日々の生活で何ができるか、ファミリーみんなで考えています。コツコツ、でも少し譲り合う、そんな心で未来を変えられるよう、国際高校ファミリーとして、何か形にできれば、と思っています。

講師のみなさんには、何度も打ち合わせをしていただき、感謝しています。これからも高校生たちを見守っていただければと思います。

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