4月29日(土)、祝日の午後にBCTJ理事で写真家の横塚眞己人の講演会をモンベル渋谷店5階サロンで行いました。小学生の推薦図書に選ばれた「ゾウの森とポテトチップス」のアイディアとなったボルネオゾウとポテトチップス、という一見あまり繋がりのない2つの単語をテーマにした講演でした。

横塚さんがこの本に取り組むようになったきっかけは、キナバタンガン川で出会った川を渡るボルネオゾウの群。中に溺れそうな子ゾウがいました。母親が体を傾けて子ゾウを乗せ、何とか助けながらも川を渡る親子を見「何でそんな無理するんだろう」と思ったそうです。ガイドが「森がなくて餌がないから移動するんだ」といいますが、川から見る岸は森が広がっています。

これはどういうことだろうとヘリコプターに乗って上空から眺めた景色に横塚さんは言葉を失います。森はなくなり、アブラヤシのプランテーションが広がっている。この光景を見たときに、自分が伝えるべきはボルネオゾウだけではなくて、ゾウを取りまく環境すべてだと決心し、取材を進めました。

講演では音も効果的に使います。ボルネオの朝の音では、会場にギボンの声が響きました。なかなか聞くことのできないオランウータンのロングコールの声も。ボルネオの森は木が高い。平均で30mはあります。写真家としてその頂上、林冠を見て見たい一心で、シングルロープテクニックと呼ばれるロープ技術を習得し、60mの樹木に登りました。

さらにパーム油の使われ方やどんな商品に入っているか、油としての性質などの話もされ、講演は締めくくられました。

サバティーとボルネオのお菓子をつまみながら後半な石田BCTJ理事長と横塚さんのトークショーへ。

1971年から動物園運営に関わってきた石田園長の、国と国の間での動物の移動についてなど興味深い話を聞くことができました。インドネシアに比べて経済的により成熟しているからか、マレーシアはパーム油の生産にしても動物の調達にしても、法にしっかり基づきしっかりと行われている印象があるそうです。

RSPOに話が及ぶと「当たり前に良いものをみんなが選んでいく、使っていく」社会になると良いとは言いながらも「安いほうがいい」というのもまた事実。RSPOの認知も日本はまだまだですから、これからの成熟した社会はそういう方向に向いて言って欲しいという話へ。

話はさらに進み、エネルギー問題から人口増加の問題へ。熱帯雨林の減少やアブラヤシプランテーションの増加は関連する様々な課題をはらんでいることを再認識しました。

質疑応答では「どうやったら動物の魅力的な写真を撮れますか?」と行った興味深い質問も。横塚さんはヒヨケザルを例に、動物の生態をよく知ること、被写体をよく観察して行動を予測・把握することが大事だと話されました。

「林冠が見れるオススメの場所は?」「パーム油の消費はこれからも世界中で増えていくと思いますか?」「何10メートルもある木を切る、というのはどういう感じなのでしょうか」などなど途切れない質問の中、2時間の会は終了しました。