プロジェクト情報

井戸掘りプロジェクト報告 No.2

豊橋総合動植物公園で、井戸掘りの練習をしました。上総掘り(前記事参照)については千葉県の袖ケ浦郷土博物館などで情報を取集し、国内だけでなくアフリカでの上総掘り経験も豊富な中村和利さんに指導を仰ぎます。

2018年10月にプロジェクトのけん引役となる豊橋総合動植物公園のメンバーと公園内で1回目の実習を行いました。事前に鉄管などの道具を搬入し、園内で竹を切り出します。準備が完了したら、公園内の広場で井戸や支柱を立てる穴を深さ60㎝まで鉄棒で掘り進めます。

鉄棒で掘り進むのですから、けっこうな力仕事です。その後、竹を割り、厚みを均等にして竹ひごを制作し、鉄管に入れる「コシタ」などの作業を教えていただきました。慣れない作業なので思ったよりも時間がかかり、支柱を立てたところで日没。今日の作業は終了です。

この道具制作の段階でさまざまな「なた」「せん」「かなどこ」といった初めて名前を聞くような道具が必要なこともわかりました。上総掘り、おそるべしです。

実習の2回目は2019年の9月に1泊2日で行いました。前述の中村さんとともに、普段は造園業を営む河西陽さんが新たに参加してくださいました。村山さん、小林さんも参加です。

まずは足場つくり。支柱に筋交いを縄で固定し、2本の竹をつないで作ったハネギを支柱にとりつけ、足場板をかませます。支柱を竹でつくったため、支柱を安定させるための切り込みを入れる細かい作業が必要でした。

井戸孔をさらに1m掘り進め、井戸壁の崩落防止のための塩ビ管を地中に設置しました。作業中で井戸壁が崩落しないよう、また底面の地面を柔らかくして掘りやすくするために、井戸孔の近くにプレートを置き、粘土を水で溶かします。井戸孔が深くなってくると鉄管が底に届かなくなってしまうので、竹ひごをつなぎあわせて長くし、鉄管をつるします。

竹ひご1本の長さは約2m。先端を矢じりのようにとがらせ、ほかの竹ひごと噛み合わせ、噛み合わせた部分を「ひご輪」と呼ばれる金具で止めます。この「ひご輪」も鉄パイプを切断し、かなどこで成型して作ったものです。

文字で書くと簡単な作業のように聞こえますが、竹ひごが反ったり、かみ合わせがずれたりとなかなか思うようにいかず、汗だくでの作業となりました。

動物園のメンバーは日頃から仕事で簡単な修理作業をしていますので、とても器用で道具の扱いに慣れているように見えますが、中村さんはなかなか合格点を出してくれませんでした。

また、掘り鉄管の内部には「コシタ」と呼ばれる弁を入れて、作業中の掘りくずを鉄管の内部にとどめます。5cmほどの筒型の木材に楕円形の鉄板の弁をつけ、掘り鉄管の先端に打ち込んでつくります。おどろいたことにコシタは消耗品(!)なので、井戸掘り作業の途中で何回も取り換える必要があるのです。

動物園のメンバーは仕事の合間の休憩時間にきて手伝ってくれたり、公休日なのにわざわざ参加してくださいました。暑いさなかの作業で大変でした、みなさん笑顔でした。

この経験を生かし、2019年11月3日は豊橋総合動植物公園で子ども向けの井戸掘りワークショップを行います。ちょっと井戸掘りをやってみたい人、ボルネオの森や動物をまもる活動に興味がある方、ぜひお集まりください!

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