お知らせ

新宿山吹高校3年渡邊和花さんインタビュー


2018年4月21日にJICA地球ひろばで「中高生によるサステナブル・ラベルシンポジウム~消費を変えて熱帯雨林の減少を食い止めよう!~」が開かれました。

これはスタディツアーでボルネオを訪れた中高生のみなさんがパーム油に関わる環境問題を学ぶなかでRSPO(責任あるパーム油の円卓会議)認証について知り、「認証ラベル(サステナブル・ラベル)について専門家や企業の方を招いて勉強し、どうすればもっと広まるかを考える機会を作りたい」と企画したものです。

一般社団法人日本サステナブル・ラベル協会の山口真奈美代表や、BCTJ理事の代島もRSPO認証油を使用するサラヤ株式会社の代表として登壇しました。

特に印象深かったのが、都立新宿山吹高校3年渡邊和花さんのプレゼンテーションです。パーム油を使用している様々な企業へのアンケートを送り、日本企業のパーム油への向き合い方、意識を浮き彫りにしようとしたものでした。

とても興味深い内容で「一度の発表で終わらせてしまうのはあまりにもったいない!」と感じ、渡邊さんの通う新宿山吹高校を訪問。渡邊さんから発表にいたった背景を伺いました。

調査に至るまで

2016年12月の第2回ボルネオスタディツアーに参加した渡邊さん。眼前にどこまでも広がるアブラヤシのプランテーションを見て、大きな衝撃を受けます。ツアーや勉強会を通じてプランテーション、パーム油、普段から買っている商品が一本の線でつながっていることを知り、ツアー後にはシンポジウムやポスターを作って周囲の人にボルネオの現状を伝える積極的に活動をしてきました。

いくつかの企業担当者に色々な話を聞くうちに「もっと多くの企業の事情を知りたい」と思い立ち、アンケートをとってみようと決意したそうです。

79社!に送ったアンケート

アンケートを送った企業は実に79社。まず自宅の食品や日用品に目をつけ、パッケージから植物油脂が使われていることを確認。化粧品は家族や自分が使っているものを調べました。

スーパーやコンビニエンスストアまで調査の手を広げると、大手企業の商品がたくさん見つかります。さらに業界団体のウェブサイトから参加企業のリストをたどり、メールで問い合わせができる企業を根気よく探していきました。

プライベートブランドを持つ小売企業や飲料会社も調査対象に加え、さらに、パーム油が発電にも使われるらしいと聞いてバイオマス発電を手がける企業にも連絡を取ります。

企業を見つけ、メールでアンケートを送り、回答をまとめ、数字をグラフにして行く地道に繰り返し、4ヶ月をすぎた頃には38社の企業から回答が集まっていました。うち食品を扱う企業からは54%と半数を超える企業からの回答があった一方で、日用品・化粧品を扱う企業からの回答率は39%でした。ひとりの高校生と真摯に向き合って長文で回答してくれた企業、回答すると言ったまま放置されてしまった企業、はじめから返事がなかったところなど、企業の対応も様々でした。

質問内容は、渡邊さんが知りたかった、聞いて見たかったことを中心に構成されています。

1.パーム油を使っているかどうか、使用割合を把握しているか
2.プランテーションが引き起こす問題を認識しているか
3.パーム油の購入元を認識しているか
4.RSPOについて知っているか
5.パーム油関連のほかにどんな環境活動を行なっているか

といった項目で企業の環境問題に対する姿勢やRSPO認証へ取り組み方を聞き出しました。過去2年ほどでRSPOに参加する企業が倍増した日本ではありますが、より多くの企業に取り組みを進めてもらいたい、と考えさせされる結果でした。


写真:生物担当の伊藤麻紀教諭と渡邊さん

調査を終えて

渡邊さんの情熱と粘り強さに深く感心しながら話を伺っていました。

「パーム油を使っている」点で共通する企業でも、環境問題への取り組みにはかなり濃淡があることがわかりましたし、私たちの活動の参考となる回答も含まれていました。79社へ問いかけて5割近い回答率という結果も高校生個人の活動としては素晴らしいと思います。それでも、渡邊さんはまだ満足されていないようでした。

「高校生からの質問には回答してくれるのではと思っていたので、7割ぐらいの返信はあると期待していました。アンケートをあと21社に送れば100社で区切りがよかったんですが、今回は時間が足りませんでした。」

「『はい』『いいえ』で応えられる質問をさらに深く掘り下げたものにすれば、より深い内容の回答をもらえたかもしれません。」

渡邊さんは現在高校3年生。受験が控えていることもあり、環境問題への取り組みは今回のシンポジウムでひと段落です。

でもその前に7月にJICAの研修でラオスへ行けることを楽しみにしています、とのこと。ボルネオでの経験やその後の活動を綴ったエッセイが「JICA 2017年度国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト高校生部門」で文部科学大臣賞を受賞し、その副賞がラオス研修なんだそうです。

渡邊さんならラオスでもたくさんのことを感じ、吸収してこられることでしょう。大学でも、社会へ出ても、環境問題に関心を持ち続けて世界を変えるための活動を続けて欲しいです。


写真:生物室の壁にはボルネオの環境問題についての特集が。

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