動物園だからこそ、できることがある。

ボルネオ動物園プロジェクト

動物のふるさとを守る活動を

恩返しプロジェクトでリーダーシップをとる坂東理事は、旭山動物園の園長としても「動物園ができること」の可能性を広げてきました。それが「行動展示」という結果になり、また坪内理事長(当時)と出会ったことで「動物園は飼育している動物の幸せだけではなく、彼らのふるさとを知り、とりまく環境を少しでも良くする」ことを新たな目的としてBCTJに参加し、プロジェクトを進めてきました。

動物園とBCTJとの提携

2018年、この考えに共感した5つの動物園と新たに協力体制をつくり、ボルネオ島サバ州の生物多様性保全活動をさまざまなかたちで支援していくことになりました。日本動物園水族館協会の中のプロジェクトとして、グループが立ち上がります。

動物園が海外を視野に入れた活動に積極的に関わることが先進的であり、また行政の垣根を超えた協力関係が結ばれるという意味でも画期的な取り組みです。BCTJの理念である「動物と人が共に生きる社会をつくり未来につなぐ」ために、手を携えて一致団結できることは本当にうれしく、心強いことです。

ボルネオ保全のための動物園プロジェクト「ボルネオ動物園プロジェクト」です。今回、提携を結んだ動物園は以下の6園です。北は北海道から南は九州まで、全国から集まりました。

旭川市旭山動物園(北海道)
那須どうぶつ王国(栃木県)
豊橋動植物総合公園(愛知県)
神戸どうぶつ王国(兵庫県)
福岡市動物園(福岡県)
鹿児島市平川動物公園(鹿児島県)

写真:プロジェクト設立を記念して行われたシンポジウム(左から 青木BCTJ事務局長、坂東理事、佐藤那須・神戸どうぶつ王国園長、瀧川豊橋動植物総合公園園長)

動物園は何ができるの?

サバ州野生生物局がいまもっとも頭を悩ませているのが、ゾウと人間との軋轢あつれきです。日本でもシカやクマ、サルが人里に出て畑を荒らしたりしますが、サバ州ではボルネオゾウの群れがアブラヤシのプランテーションに入り込んで若いアブラヤシを倒して食べてしまったり、村落に迷い込んでバナナの幹を食べたりします。

畑を荒らされるといった実害がなくでも、力の強いゾウの群れが民家やプランテーションのすぐそばにいるだけで、住民にとっては大きな脅威です。ゾウ出没の連絡を受けた野生生物局の職員は、移動用の大きな檻を大型トラックに積んで現場に向かい、ゾウを保護しては遠くの森に返したり、怪我をしていれば保護したりという作業を長年続けてきました。

いつしか既存の施設はスペースが足りなくなり、またエサ代やゾウのための人件費が野生生物局全体の予算を圧迫するようになりました。

BCTJと動物園の関係

BCTJは長年にわたりサバ州野生生物局を支援しており、州政府機関や地元の環境NGOとの強い結びつきがあります。そのため、現地でもっとも求められる支援の内容や手段を熟知しています。

一方で動物園は動物の飼育はもちろん、健康管理、移動、施設設計などの専門的な知識と技術、経験を持っています。さらにボルネオの現状や環境問題を市民のみなさまに知らせる環境教育の空間としてワークショップやセミナーを行ったり、資金調達のための告知や広報活動を行う場としても、最適の場所になるでしょう。

広報活動、財政支援、技術支援によってボルネオの生物多様性保全活動をサポート

動物園は地元市民や企業との結びつきが強く、活動の目的や支援を訴える中心的な存在になります。実際に、ボルネオ支援型自販機の設置は旭山動物園からスタートし、旭川市内から北海道全土へ、さらには全国へと広がりました。

今後、支援金募集や広報、現地での技術研修や支援を進め、BCTJとともにボルネオの支援活動を現地と国内で展開する予定です。ご期待ください。